
「直行直帰」は、営業職や外回りの社員には便利な働き方ですが、実は適切にルールを定めないと、 「サボり」や「労働時間管理の不備」 というリスクを抱えてしまいます。
例えば、
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移動時間は労働時間に含まれるのか?
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「自己申告制」にしていたら、会社は本当に労働時間を把握できるのか?
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GPS管理はどこまで許されるのか?
今回は、 直行直帰を適正に運用するためのポイント を、最新の労働法の考え方とともに解説します!
移動時間は労働時間に含まれる?
直行直帰時の「移動時間」は、業務の一環とみなされるのか、気になるポイントです。
基本的には 「移動時間は労働時間ではない」 という原則がありますが、
✅ 指示された業務を移動中に行う場合は労働時間に該当
✅ 単なる移動なら労働時間には含まれない
例えば、移動中に電話やメールで業務指示を受けて対応していた場合、それは「労働時間」とみなされる可能性が高いです。
無意識のうちに「移動時間=業務時間」になっているケースがあるので、 会社は明確なルールを定めることが重要 です。

自己申告制は本当に有効?「知らなかった」は通用しない
直行直帰の場合、会社が労働時間を正確に把握しにくいため、「自己申告制」を採用するケースが多いです。
しかし、 自己申告だけに頼るとリスクが発生 します。
📌 リスク1:「黙示の残業指示」が認められる
日報では「定時に終わった」と書かれていても、
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取引先とのやり取り(メールの送受信記録)
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システムへのログイン履歴
などの証拠があると、 実際には残業していた と認定される場合があります。
会社が「知らなかった」では済まされず、残業代の未払い問題に発展することもあります。
📌 リスク2:労働時間の不正申告
逆に、労働者が 実際には働いていないのに労働時間を申告するケース も考えられます。
過去には、GPSデータから「直行直帰のはずが、実は公園で休んでいた」ことが発覚した事例もあります。
🔹 対策:ICTを活用した管理がカギ
厚生労働省の指針では、 労働時間管理は原則「客観的な記録」によるべき とされています。
自己申告制を採用する場合でも、
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スマートフォンのGPS記録
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社員が日報に始業・終業時間を記録するルール
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メールや業務アプリのログを確認する
など、客観的なデータと組み合わせて運用するのが望ましいです。

GPS管理はどこまで許される?
「サボリ防止」としてGPSを活用する企業も増えていますが、 どこまで監視していいのか という疑問もあります。
✅ 会社がGPS機能付き端末を貸与するのはOK
✅ 業務時間中はGPSをオンにする義務を課すのもOK
🚨 業務外の時間までGPSで監視するのはNG
例えば、「業務時間中はGPSをオンにしておく」「直行直帰の際は移動ルートを記録する」といったルールを就業規則に定めることは可能です。
ただし、 プライバシーの侵害にならないように、業務時間外はGPSをオフにできる仕組み にすることが大切です。

直行直帰の適正な運用ルールを整えよう
直行直帰は便利な制度ですが、 適切なルールなしに運用すると、企業にとっても従業員にとってもトラブルの原因 になりかねません。
✔ 移動時間が労働時間に含まれるかを明確化する
✔ 自己申告制だけに頼らず、客観的なデータで管理する
✔ GPSを活用する場合は、プライバシーにも配慮する
✔ ルール違反に対しては、懲戒処分の可能性を明記する
直行直帰を適切に運用することで、 労働時間の適正管理ができるだけでなく、成果をしっかり評価する仕組み も作ることができます。
企業側・従業員側双方にとって、公正で働きやすい環境を整えましょう!