こんにちは!
今回は、自動車学校で教習指導員の資格を取った人が退職したとき、資格を取るための費用を返すべきかどうかが争われた裁判についてわかりやすくお伝えします。
事件の内容
自動車学校で教習指導員の資格を取ったYさんは、会社が資格取得のための費用を立て替えてくれたおかげで資格を手に入れました。
でも、資格を取ってから1年もしないうちに退職。そこで自動車学校側は、「資格を取るのにかかったお金を返してほしい」と求めました。
費用を返すのは違法じゃないの?
Yさんは「資格を取るための費用を返す契約は法律違反じゃないか」と主張しました。
日本の法律(労働基準法16条)では、退職するときに会社が違約金や損害賠償を求めることを禁止しています。
しかし、裁判所はこのケースについて「違法ではない」と判断しました。
その理由は「教習指導員の資格は本来、個人で負担するべきもので、転職にも有利な資格だから、会社が一時的にお金を貸して立て替えることは合理的だ」とされたためです。
3年間働けば返済しなくていい?
この契約では、資格を取ってから3年間働けば費用の返済が免除されることになっていました。
この3年間という期間も長すぎるわけではないと判断され、裁判所はこの契約を「合理的で、労働者にとっても利益がある」と考えました。
まとめ
この裁判では、資格取得の費用を一時的に会社が貸して、その後に返済を求めることが法律に違反しないとされました。
資格が転職にも役立つものである場合、3年間働けば返済しなくてよいという契約は合理的であり、会社も従業員も納得しやすい形だとされたのです。
就職したときの条件をしっかり確認し、メリットとデメリットを理解することが大切ですね!
「勝英自動車学校事件」(東京地判令5・10・26)